1998年2月にリリースされ、今なお多くのファンに愛され続けるサザンオールスターズの大ヒットナンバー『LOVE AFFAIR〜秘密のデート〜』。
実はこの楽曲、ライブで披露される際のアウトロに、サザンファンであれば一度は気づくであろう”ある仕掛け”が隠されているのをご存知でしょうか。
桑田佳祐がさりげなく口ずさむ、英語のワンフレーズ。その正体は、桑田佳祐が長年敬愛してきた、ある洋楽の名曲の引用だったのです。
本記事では、サザンファン歴10年以上、桑田佳祐のライブを何度も体験してきた筆者の視点から、その元ネタとなる楽曲、桑田佳祐との関わり、そしてアウトロに込められた音楽的なメッセージを徹底解説していきます。
『LOVE AFFAIR〜秘密のデート〜』とは?基本情報をおさらい
まずは『LOVE AFFAIR〜秘密のデート〜』の基本情報を整理しておきましょう。
- 発売日:1998年2月11日
- 作詞作曲:桑田佳祐
- 収録アルバム:『さくら』『海のOh, Yeah!!』『バラッド3 〜the album of LOVE〜』
- タイアップ:ドラマ『Sweet Season』(TBS系)主題歌
- オリコン最高順位:1位
横浜を舞台に描かれた”禁断の恋”がテーマ。情熱的でありながらどこか切ないメロディと、映画のような情景描写が高く評価され、サザンの楽曲群の中でも”大人の恋愛模様”を代表する1曲として親しまれています。
筆者自身も、2023年の茅ヶ崎ライブや2025年の「THANK YOU SO MUCH!!」ツアーでこの楽曲を体感してきましたが、ライブでは特に後半のクライマックスやアンコールで披露されることが多く、会場の一体感が頂点に達する瞬間を何度も味わってきました。
ライブ版アウトロに隠された”仕掛け”とは
そんな『LOVE AFFAIR〜秘密のデート〜』ですが、ライブ時に注目すべきポイントがあります。それが、楽曲の終盤、アウトロ部分です。
通常のCD音源では聴くことのできない、ライブならではの演出として、桑田佳祐がアウトロで英語のワンフレーズを口ずさむことがあるのです。
その英語フレーズの内容は、「夜の出会い」と「離さない決意」を歌ったロマンティックな一節。『LOVE AFFAIR〜秘密のデート〜』が描く”禁断の恋”のテーマと見事に重なり、楽曲のラストにさらなる切なさと情熱を加えています。
元ネタはザ・ロネッツの不朽の名曲
このアウトロで桑田佳祐が引用しているフレーズの正体は、1963年にリリースされたザ・ロネッツ(The Ronettes)の代表曲「Be My Baby」の冒頭部分です。
ザ・ロネッツとは?
- 結成:1957年、アメリカ・ニューヨーク
- メンバー:ロニー・スペクター、エステル・ベネット、ネドラ・タリー
- 代表曲:1963年リリースの大ヒットバラード
- プロデューサー:フィル・スペクター(”ウォール・オブ・サウンド”の生みの親)
ロネッツの楽曲は、リリース当時に全米Billboard Hot 100で最高2位を記録。その後も数多くのアーティストにカバーされ、ローリング・ストーン誌が選ぶ「歴代最高の500曲」では22位にランクインするなど、音楽史に深く刻まれたポップス史に残る金字塔的作品です。
特徴的なのは、ハル・ブレインによる印象的なドラムイントロ(通称”ベイビー・ビート”)と、ロニー・スペクターの艶やかなボーカル。そして何より、フィル・スペクターが生み出した重厚で立体的な「ウォール・オブ・サウンド」が、当時のポップス界に革命をもたらしました。
楽曲タイトルや具体的なフレーズは、SpotifyやApple Musicなどの配信サービスで気軽に聴くことができます。ぜひ一度、桑田佳祐が愛してやまないこの名曲を体験してみてください。
桑田佳祐とザ・ロネッツの深い関係
実ザ・ロネッツの「Be My Baby」は、桑田佳祐が長年にわたって愛してやまない楽曲として、さまざまな場面で言及されています。
桑田佳祐が公の場でロネッツに言及した主な事例
🎙 ラジオ番組『桑田佳祐のやさしい夜遊び』
TOKYO FMで30年以上続く長寿番組『やさしい夜遊び』では、桑田佳祐自身がDJを務める中で、定期的にロネッツの楽曲がオンエアされています。筆者も毎週この番組を聴いている1人ですが、桑田さん自身が楽曲への愛着を語るシーンが幾度もありました。
🎸 KUWATA BANDでのカバー演奏
1986年、桑田佳祐がサザン活動休止中に結成したKUWATA BANDのライブアルバム『ROCK CONCERT』(1986年)では、「Be My Baby」を実際にカバー演奏しています。サザンとは異なるロックバンド形態で洋楽カバーに挑んだ貴重な記録です。
🎤 ライブでの引用演出
そして今回紹介している『LOVE AFFAIR〜秘密のデート〜』のアウトロでの引用フレーズ。これはCD音源には収録されていない、ライブ限定の演出となっている”隠し要素”です。
このように、桑田佳祐にとってザ・ロネッツの楽曲は、単なる影響を受けた1曲というだけでなく、自身の音楽人生の中で繰り返し再生され続けている特別な存在なのです。
アウトロ引用に込められた”洋楽オマージュ”の意味
では、なぜ桑田佳祐は『LOVE AFFAIR〜秘密のデート〜』のアウトロで、ザ・ロネッツの代表曲を引用しているのでしょうか。
筆者なりに考察してみると、そこには以下の3つの意味が込められているのではないかと感じます。
① テーマの共通性
ザ・ロネッツの楽曲は「夜の出会いから始まる、絶対に離したくない恋」を描いた情熱的なラブソング。一方、『LOVE AFFAIR〜秘密のデート〜』は”禁断の恋”を題材にした切なくも情熱的なナンバー。
「夜・出会い・離したくない想い」という共通テーマが、2曲の楽曲世界を自然に橋渡ししているのです。
② フィル・スペクター・サウンドへの憧憬
サザンオールスターズの楽曲には、フィル・スペクターの”ウォール・オブ・ サウンド”の影響が随所に見られます。重厚なストリングス、印象的なドラムパターン、ハーモニーの厚み——これらはサザンサウンドの根幹をなす要素でもあります。
『LOVE AFFAIR〜秘密のデート〜』のラストにスペクター作品の名フレーズを重ねることは、桑田佳祐なりの音楽的ルーツへのオマージュと読み取れます。
③ ライブの”特別感”の演出
CD音源には収録されていないアウトロ部分は、「ライブに来た人だけが 体験できる特別な瞬間」。ファンサービスとしての側面と、桑田佳祐自身の遊び心が融合した、ライブならではの粋な演出と言えるでしょう。
桑田佳祐の楽曲に見る”洋楽引用”の遊び心
実は桑田佳祐の楽曲には、『LOVE AFFAIR〜秘密のデート〜』以外にも、洋楽からの影響やオマージュが至るところに散りばめられています。
代表的な例をいくつかご紹介しましょう。
🎵『SEA SIDE WOMAN BLUES』
サザンオールスターズの名曲『SEA SIDE WOMAN BLUES』は、クリーム(Cream)の名盤『Disraeli Gears』収録の「Outside Woman Blues」をもじったタイトル。桑田佳祐自身がその由来を明言しています。
🎵『いとしのフィート』『悲しみはブギの彼方に』
リトル・フィート(Little Feat)への深い愛情から生まれた楽曲群。バンド名のオマージュとも言える楽曲タイトルが象徴的です。
🎵『夢の宇宙旅行』
桑田佳祐自身が「グラムロックやパワーポップへのリスペクトの集大成」と語る楽曲。T.Rexやデヴィッド・ボウイの香りが漂います。
このように、桑田佳祐の音楽性を読み解くカギは、彼が愛してやまない 洋楽ルーツにあるのです。
▶ 桑田佳祐が影響を受けた洋楽アルバムについては、
こちらの記事でさらに詳しく解説しています。
ラストに込められた”オマージュ”を聴く方法
最後に、実際にこの”隠れたオマージュ”を体験する方法をご紹介します。
ライブ映像で確認する
- サザンオールスターズ公式YouTubeチャンネルで公開されているライブ映像にて、アウトロ部分の引用フレーズを聴くことができます
- 特に茅ヶ崎ライブ2023やTHANK YOU SO MUCH!!ツアー2025の映像がおすすめ
公式ライブ盤で聴く
- 『海のOh, Yeah!!』などのライブ音源収録盤
- NETFLIX「茅ヶ崎ライブ2023」
元ネタの楽曲も合わせて
- Spotify / Apple Music / Amazon Musicで配信中
- 1963年リリース当時のオリジナル音源を聴き比べると、桑田佳祐の引用の妙がより深く味わえます
ぜひ、桑田佳祐がアウトロにさりげなく忍ばせた音楽愛のメッセージを、あなた自身の耳で体験してみてください。
まとめ:桑田佳祐の音楽は”聴き込むほど”奥深い
今回は、サザンオールスターズ『LOVE AFFAIR〜秘密のデート〜』のライブ版アウトロに隠された、桑田佳祐の”洋楽オマージュ”について解説してきました。
📝 本記事のポイント
- アウトロで歌われるのは、1963年リリースのザ・ロネッツの代表曲の冒頭フレーズ
- 桑田佳祐はラジオやKUWATA BANDなど、長年にわたってこの楽曲への愛を表現してきた
- アウトロでの引用は、テーマの共通性・フィル・スペクターへの憧憬・ライブの特別感を体現した粋な演出
桑田佳祐の楽曲は、表面的に聴くだけでも十分に楽しめますが、こうしたさりげない引用やオマージュに気づくことで、その魅力は何倍にも広がります。
「あの曲のあのフレーズ、実はあの名曲のオマージュだったのか!」
そんな発見の積み重ねこそが、桑田佳祐の音楽を聴く醍醐味だと、サザンファン歴10年以上の筆者は感じています。
これからも本サイト「サザログ」では、桑田佳祐とサザンオールスターズの音楽に隠された魅力を、深掘りしてお届けしていきます。
▶ 桑田佳祐の音楽的ルーツについては、こちらの記事もぜひご覧ください:

コメント