毎週土曜日23時からTOKYO FMで放送されている『桑田佳祐のやさしい夜遊び』。2025年3月15日の放送回は、桑田佳祐本人が不在の代行DJとして、サザンオールスターズのサポートメンバーである斎藤誠さんと山本拓夫さんが登場するという、ファン必聴の回となりました。
中でも貴重だったのは、サザンオールスターズの16作目のオリジナルアルバム『THANK YOU SO MUCH』に収録された名曲「悲しみはブギの彼方に」にまつわる秘話です。サザン前夜の知られざる青春時代のエピソードや、楽曲の音楽的背景まで、ファンであれば見逃せない内容が満載でした。
本記事では、放送内容のポイントに加え、サザンファン歴10年以上の筆者の視点から、この楽曲の魅力を深掘りしていきます。
「悲しみはブギの彼方に」とは?
「悲しみはブギの彼方に」は、2025年3月19日にリリースされたサザンオールスターズの16作目のオリジナルアルバム『THANK YOU SO MUCH』に収録された楽曲です。
- 収録アルバム:『THANK YOU SO MUCH』(2025年3月19日リリース)
- 作詞作曲:桑田佳祐
- 元になった楽曲の誕生時期:1976年頃(桑田佳祐 大学時代)
実はこの楽曲、約50年前に桑田佳祐が学生時代に作曲した未発表曲。サザンのファーストアルバム『熱い胸騒ぎ』(1978年)への収録候補にも挙がりながら、最終的に長年眠っていた幻の楽曲が、令和の今、ついに音源化されるに至った——というドラマチックな背景を持つ1曲なのです。
『悲しみはブギの彼方に』にまつわる貴重なエピソード
2025年3月15日の放送で語られたエピソードの中で、特に注目だったのは、斎藤誠さんが語った「悲しみはブギの彼方に」の思い出話でした。 この楽曲は、1976年頃に桑田佳祐さんが学生時代に作曲したもので、当時のライブでは定番曲として演奏されていたといいます。
斎藤誠さんは1977年に青山学院大学に入学し、桑田佳祐と同じ音楽サークルに所属。その頃、観客として桑田佳祐率いるバンド「Better Days」のライブを目撃していたとのこと。サザンデビュー前夜のライブを実際に観ていた、まさに生き証人と言える存在です。
サザン前夜のライブ定番曲とは?
斎藤誠さんによれば、当時のライブ会場は以下のような小さなライブハウスだったといいます。
- 渋谷・道玄坂のYAMAHA「ヤングステージ」(定員30人ほど)
- 新宿LOFT
- 荻窪LOFT
- 渋谷屋根裏
定員30人の小さなライブハウスで、後の国民的バンドの原型が育まれていたというのは、サザンファンとしては感慨深いものがあります。 当時のセットリストには、以下のような楽曲が定番として並んでいたそうです。
- 今宵あなたに
- 別れ話は最後に
- いとしのフィート
- 悲しみはブギの彼方に
演奏できる楽曲数が少なかったため、アンコールでは桑田さんが「小林投手のモノマネ」などで盛り上げていたという、なんとも微笑ましいエピソードも明かされました。さらに、エリック・クラプトンの「ファーザー・オン・アップ・ザ・ロード」などの洋楽カバーも演奏されていたとのこと。
斎藤誠さんは「『悲しみはブギの彼方に』はサザンのファーストアルバム『熱い胸騒ぎ』に絶対入ると思っていた」とも語り、『THANK YOU SO MUCH』のアルバム制作において、この楽曲がレコーディングされると知って大変驚いたそうです。
「せーので音を出したらすぐにサウンドがまとまった」と語る誠さんの言葉には、長年のバンドの信頼関係がにじみ出ていました。当時20歳そこそこの学生バンドの演奏とは違う、いぶし銀のプレイで令和に蘇った——そんな楽曲の魅力が伝わってきます。
「悲しみはブギの彼方に」の音楽的特徴
この楽曲を初めて聴いた時、筆者が真っ先に感じたのは、サザンオールスターズ・桑田佳祐の音楽的ルーツが色濃く反映されているという点でした。
1) リトル・フィートからの影響
桑田佳祐が愛してやまないアメリカのロックバンド、リトル・フィート(Little Feat)の音楽的影響が、楽曲全体に色濃く感じられます。同じく初期サザンの楽曲「いとしのフィート」と並んで、桑田佳祐の洋楽ルーツを象徴する1曲と言えるでしょう。
2)美空ひばり「車屋さん」へのオマージュ
歌詞中に登場する「ちょいとお待ちよ車屋さん」というフレーズは、桑田佳祐が敬愛する美空ひばりの楽曲「車屋さん」へのオマージュとも言われています。20〜21歳の桑田佳祐がさりげなくこのフレーズを織り込んでいたあたり、当時から日本の歌謡曲を深く吸収していたことがうかがえます。
3) 約50年の歳月を経た円熟のサウンド
学生時代の若さあふれる楽曲が、サザンとしての47年のキャリアを経て音源化されたことで、当時の「バンドの初期衝動」と現在の円熟味が見事に融合した1曲に仕上がっています。
筆者が感じた「悲しみはブギの彼方に」の魅力
筆者は2025年開催のサザンオールスターズ「THANK YOU SO MUCH!!」ツアーの広島公演と東京公演に参戦しました。特に2025年1月の広島公演は、アルバム発売前という異例のタイミングで開催されたアルバムツアーだったこともあり、「悲しみはブギの彼方に」がライブで初披露されました。会場に鳴り響いたイントロを聴いた瞬間の衝撃は、今でも忘れられません。
「これが約50年前に作られた曲なのか?」と思わせるほどの完成度。桑田佳祐が学生時代に書き上げた楽曲が、令和の音楽シーンでも全く色褪せない普遍性を持っていることに、改めて桑田佳祐の才能を感じました。
また、ライブで演奏する5人のメンバーの息の合った演奏。サザン結成から47年の歳月を経て、メンバー全員が同じ楽曲を昔とは違う形で奏でる——そんなドラマチックな瞬間を体感できたのは、サザンファンとしてかけがえのない経験でした。
まとめ:サザン前夜の音楽が令和に蘇った奇跡
2025年3月15日放送の『桑田佳祐のやさしい夜遊び』で語られた斎藤誠さんのエピソードは、サザンファンにとって貴重な“歴史の証言”でした。
📝 本記事のポイント
- 「悲しみはブギの彼方に」は1976年頃に桑田佳祐が学生時代に作曲した楽曲
- 約50年の時を経て『THANK YOU SO MUCH』に収録
- 斎藤誠さんは1977年に青学入学後、桑田率いる「Better Days」のライブを観客として体験
- 当時のライブ会場は渋谷・道玄坂のYAMAHA「ヤングステージ」など小規模ハコ
- リトル・フィートや美空ひばりの影響が随所に感じられる楽曲
サザンオールスターズの音楽は、ヒット曲を聴くだけでも十分に楽しめますが、こうした楽曲の背景や歴史を知ることで、その魅力は何倍にも広がります。
『桑田佳祐のやさしい夜遊び』は毎週土曜日23時からTOKYO FMで放送中。サザンや桑田佳祐の知られざるエピソードに触れたい方には、ぜひラジオでの視聴をおすすめします。
▶ 情報参照元:『桑田佳祐のやさしい夜遊び』(2025年3月15日放送)


コメント