桑田佳祐が影響を受けた邦楽アルバム5選|サザンオールスターズのルーツを辿る

トリビア

桑田佳祐といえば、サザンオールスターズのフロントマンとして、長年にわたり日本のポップロックシーンを牽引してきたレジェンド的存在。その魅力のひとつに挙げられるのが、「ジャンルを超えた楽曲の幅広さ」です。特に彼の音楽性には、数多くの邦楽──中でも「歌謡曲」からの影響が色濃く感じられます。

本記事では、2017年に発売されたPen特集号「1冊まるごと、桑田佳祐。」の情報も参考にしながら、桑田さんがインタビューやライブ、そして自身の楽曲の中で言及してきた邦楽アーティストたちを紹介。そのルーツと、サザンおよびソロ楽曲とのつながりを紐解いていきます。

MAKI〜浅川マキの世界(1970年)

1970年リリースのファーストアルバム。曲間に浅川マキのインタビューを収録。新宿「蠍座」における実況録音部分の構成は寺山修司。

Pen 2017年 No.455「1冊丸ごと、桑田佳祐。」
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浅川マキといえば、やはり印象深いのが、2021年に開催された「桑田佳祐『静かな春の戯れ~Live in Blue Note Tokyo~』」で披露された「かもめ」。あのパフォーマンス以降、桑田さんがラジオやメディアで浅川マキについて語る機会が増え、彼女の音楽に深く惹かれている様子が伝わってきました。

実際、2025年3月発売の『BRUTUS』では、「僕もここ数年、改めて浅川マキさんを聴いたら、すごくハマっちゃってね。」と桑田さん自身が発言。写真のテイスト、声の魅力、そして彼女の成り立ちのようなものに強く惹かれたと語っています。

いしだあゆみ ベスト・アルバム(1973年)

1973年のベスト盤。「ブルー・ライト・ヨコハマ」収録。「せつない可愛らしさがいい。作家と歌手の関係性にも惹かれました」(桑田)

Pen 2017年 No.455「1冊丸ごと、桑田佳祐。」

いしだあゆみも、桑田佳祐さんが愛してやまない歌手のひとりです。「ブルー・ライト・ヨコハマ」は、「サザンオールスターズ 年越しライブ2004-2005 暮れのサナカ」で披露され、2005年7月に発売されたシングル「BOHBO No.5」の3曲目にも収録されています(Vo.は原由子)。

さらに『平成三十年度! 第三回ひとり紅白歌合戦』では、いしだあゆみの「あなたならどうする」を桑田さん自身がカバー。こうしたライブでの選曲からも、彼女への深いリスペクトと愛情が感じられますね。

歌は生きている/美空ひばり ゴールデン・ヒット・アルバム(1965年)

1965年のベスト盤。「車屋さん」収録。「ボブ・マーリーに匹敵する泥臭さとバンドのとがった演奏が迫力」(桑田)

Pen 2017年 No.455「1冊丸ごと、桑田佳祐。」

桑田佳祐は、美空ひばりの『車屋さん』を2001年3月放送の「音楽寅さん 美空ひばり特集」でカバーしています。その後も、2009年8月24日放送の「音楽寅さん 恋の花咲く銀座スペシャル」や、2016年6月25日のWOWOW開局25周年記念番組 “桑田佳祐『偉大なる歌謡曲に感謝 ~東京の唄~』” でも披露されており、大切にしている楽曲であることがうかがえます。

実は、サザンデビュー前の楽曲『悲しみはブギの彼方に』には、「ちょいとお待ちよ車屋さん」というフレーズがさりげなく登場するんですよね。1977〜78年、桑田さんが21〜22歳の頃、デタラメに歌っているようでいて、ふと口をついて出てくるあたり、まさに身体に染みついていた1曲なのかもしれません。

加山雄三 ベスト40(1976年)

1976年の2枚組ベスト盤。「君といつまでも」収録。「ずっと憧れの人。この頃のバンドが日本人の身の丈で奏でる演奏は秀逸」(桑田)

Pen 2017年 No.455「1冊丸ごと、桑田佳祐。」

九ちゃんの唄 第2集(1964年)

1964年リリース。「上を向いて歩こう」収録。「加山さん以前は九ちゃんになりたかった。永六輔さん、中村八大さんは天才」(桑田)

Pen 2017年 No.455「1冊丸ごと、桑田佳祐。」

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